創立者紹介

略歴

小平 雄一
1967年生まれ
東京都出身

青山学院大学国際政治経済学部国際政治学科卒業 政治学学士
Postgraduate Diploma in Development Administration, Global Development Institute, The University of Manchester
Msc in Management and Implementation of Development Projects, Global Development Institute, The University of Manchester

非政府組織(Non-Governmental Organization: NGO)にてアフリカ、アジアで緊急支援・開発プロジェクトに従事。その後、鹿児島大学医学部医学科に学士編入学

鹿児島私立病院 周産期母子医療センター新生児内科
船橋中央病院 周産期母子医療センター 産科・新生児
独立行政法人国立病院機構霞ヶ浦医療センター 産婦人科
2019年7月 母と子の医療を世界に届ける会 設立 理事長に就任

資格
産婦人科専門医
NCPR インストラクター
少林寺拳法三段

設立趣意書

現在、日本に住む私たちにとって出産とは、新しい命と出会う、人生で最も幸せに包まれた瞬間です。
しかし、それは、高度な周産期医療により、お母さんたちが安全に分娩でき、赤ちゃんが様々な危険から守られているから、という事実を知っている人は少ないと思います。
周産期とは、妊娠22週から生後7日までを意味する言葉ですが、この時期の女性と赤ちゃんに対する医療は近年急速に発展した分野であり、Neonatal Intensive Care Unit (NICU)に代表されるように、高度な機械や訓練されたスタッフなどの豊富な医療資源に支えられています。
そのような医療のない開発途上国では、お産は常に死と隣り合わせであり、生まれてくる赤ちゃんも、生まれた場所が我々の住む国であれば、なんの障害もなく育っていけるような子達が、数多く命を落としていきます。私たちが当然のように享受している周産期医療の恩恵を受けている人たちは、世界でほんの一握りでしかありません。

 

生まれてくる赤ちゃんとお母さんの対面の瞬間は、すべての人々にとって幸せな瞬間であり、すべての人々が平等に享受すべきである、と私たちは信じています。

 

開発途上国では、先進国において普通に行われている周産期医療がほとんど普及していません。
その理由は単純に、周産期医療が大量に医療資源を必要とする贅沢な医療だからです。
しかしテクノロジーの進歩は、今まで高価で専門家にしかできなかった医療サービスを、安価でより簡便なものにすることを可能としています。例えば、今まで高価な医療機器であった超音波診断装置が、スマートフォンで操作可能となり、さらに価格も従来の機種の100分の1程度になってきています。
私たちは、安価で軽量な携帯型超音波診断装置を事業対象国に導入し、その信頼性及び診療効果を検証してきました。また、医療従事者が絶対的に不足している途上国でも普及が望めるように、経験の少ない医療従事者でも効果的に習熟できる教育方法も検証してきました。
新生児領域では、開発途上国における新生児の死亡原因調査を行っており、その結果に基づき、従来の呼吸補助装置に改良を加えた簡単な装置(continuous positive airway pressure;CPAP)を用いた、新生児蘇生法の普及・教育を行ってきました。
このようにテクノロジーの進歩と、ちょっとの創意工夫で、周産期医療は医療資源の有無に左右されずに、どこへでも届けられるものであることを、私たちは証明してきました。

しかしながら、個々人での活動を主体としていたため、資金や情報が制限され効果的な活動ができていないと認識するに至りました。
私たちが団体として活動することで、個々の周産期医療分野での支援活動が活動地域にもたらすインパクトが増大し、事業実施国における医療水準の向上、及びそれに伴う母体・新生児死亡率の低下がもたらされると信じています。
私たちは、これらの活動を通して、世界のすべての母親と赤ちゃんが、幸せを育むことができる社会の実現を目指します。